リピート注文とは?
FXリピート注文とは何でしょう。
原理は簡単で、例えばドル/円が105円〜110円でボックス相場にあるとして、105円でドルを買って、110円でドルを売るのを繰り返せば自動的に儲かるというわけです。単純ですね。
買いから入る場合は、まず105円でエントリーの買い注文を出し、その注文が約定した場合は、110円で決済の売り注文が発注されるようにしておけばよいだけです。IFD注文(イフダン注文)を使えば、簡単にこのような注文は出せますね。
さらに、110円で決済の売り注文が約定した場合に、最初の105円の買い注文(エントリー注文)が再び発注されるようにしておけばよいのです。いくつかのFX会社ではこのような発注の設定が可能です。
発注してしまえば、あとは相場の動きを眺めるだけ。ドル/円が105円と110円との間を行ったり来たりするだけで、勝手にエントリーと決済が繰り返され、どんどん儲かるはずですね。理論的には・・・
実際は、もう少し複雑
極めて単純に原理を説明すると以上のような感じですが、実際はどの範囲を相場が動くのかあらかじめ正確に分かるわけではないので、相場が動きそうな範囲に、複数の注文を仕込んでおく場合が多いです。
例えば、105円〜110円の間でドル/円が動きそうだと思えば、105円、106円、107円、108円にエントリーの買い注文を仕込み、それぞれ107円、108円、109円、110円で決済されるように設定しておくといった具合です。
こうしておけば、エントリー注文が約定する確率が高まるので、それだけ利益を上げられる機会が増えることになります。そもそもエントリーしなければ利益を上げることはできませんが、最初の105円だけにエントリー注文を仕込む場合と比べて、かなり約定しやすくなってるのがわかると思います。
これなら、仮にドル/円が想定よりももっと狭い範囲、例えば106円〜108円で変動したとしても、利益を上げることができますね。
売りからエントリーすることも可能
リピート注文の建て方は、上記のように買い注文でエントリーし売りで決済する方法もありますし、逆に売り注文でエントリーし買い注文で決済することもできます。
買いエントリーと売りエントリーを併用して、両方を同時に仕掛けておくこともできます。この場合は往復ビンタで儲かりますが、建玉が増える分、リスクも大きくなります。
リピート注文ができるFX会社は?
IFD注文はほぼすべてのFX会社でできると思いますが、決済注文が約定した場合に自動的にエントリー注文を再び発注する設定のできる会社は、限られます。
マネースクエアの「トラリピ」やインヴァスト証券の「トライオートFX」が有名で、そのほかにも外為オンラインの「iサイクル2注文」や、みんなのFX(トレイダーズ証券)の「リピート注文」などがあります。メッシュはマネーパートナーズの「連続予約注文」を使っています。
マネパの連続予約注文を選んだ理由は?
マネーパートナーズ(マネパ)の「連続予約注文」を選んだ理由は、主に以下の諸点です。
- 取引手数料が無料で、スプレッドも比較的小さく、取引コストが安い
- 注文の出し方や決済幅の設定など注文設定の自由度が高い
- 1000通貨単位から取引可能で、少額資金でのお試しにちょうど良い
- 選択可能な通貨ペアが豊富にある
上記のなかでも、取引コストの安さは最も重視した点です。
リピート注文は長期間放置して、注文を繰り返して運用しますので、僅かな取引コストの差であっても、それが積み重なってパフォーマンスに大きく影響します。できる限り取引コストの低いFX会社を選ぶようにしないと、後で後悔する可能性が高いです。
一方でマネパの連続予約注文には、他のFX会社に比べて弱点もあります。一応並べておきます。
- 一本一本注文を手動で入れていくので、最初に注文を発注する際に手間がかかる
- 逆指値のエントリー注文が出せないので、相場の動きに合わせて注文を追加していく必要がある
- 連続予約注文の連続回数が最高20回までなので、永遠に放置プレイはできない
リピート注文と一口に言っても、FX会社によってかなり仕組みや使い勝手、コストが違います。一旦始めると、なかなか途中での方向転換が効かない取引なので、最初によくFX各社のメリット、デメリットを調べておくことをお勧めします。
通貨ペアはどれを選ぶの?
通貨ペアはAUD/NZDを使います。もう少し日本語的に書くと豪ドル/ニュージーランドドルです。
この通貨ペアを選ぶ理由は、両通貨の相関性が高く、値動きの範囲が他の通貨ペアと比べて比較的限定されるので、相場の変動ゾーンの見込みが立てやすいからです。
リピート注文の最大の要諦は、相場が動きそうな範囲に注文を仕掛けておくことですが、この「相場が動く範囲」をあらかじめ予想することは、実は困難を極めます。向こう1週間ぐらいであれば、「なんとなくこの辺りを動きそうだ」ぐらいは素人でも予想できるでしょうが、3ヶ月先、1年先の相場のゾーンを予想するなど、およそ不可能です。
ただし、相場の動きが限定される通貨であればあるほど、正確に予想はできなくても、大きく外す可能性も小さくなるわけです。
このような相関性が高い通貨ペアの最たるものは、米ドルと香港ドルです。これは香港ドルがドルペッグ制を採用しているためであり、香港では金融政策の自由を放棄して、通貨の価値を米ドルに紐付けています。したがって、この通貨ペアはほぼ価値の変動がなく、かえってリピート注文には向いていません。極めて特殊な例ですね。
このような特殊な例を除けば、相関が高い通貨ペアとしては、AUD/NZDやEUR/PLNが有名です。前者は先に述べたとおり豪ドル/ニュージーランドドルのことです。後者は、ユーロ/ポーランドズロチです。
後者のEUR/PLNはヒロセ通商(LIONFX)などで取り扱いがあるようですが、残念ながら、リピート注文が可能なFX会社での取り扱いは現在のところ見当たりません。
一方でAUD/NZDはいくつかのリピート注文系のFX会社でも取り扱っています。マネーパートナーズでも取引可能です。
どの範囲に注文を仕掛けるの?
対象通貨ペアの相場が動きそうな範囲に注文を仕掛けておけばよいのですが、これを正確に予想することはできません。できることといえば、過去の相場の推移を見ながら、だいたいこの当たりだろうと見当をつけることぐらいです。
AUD/NZDの過去5年程度の値動きを見てみると以下のようになります。
過去5年程度を見る限りは、ほぼボックス相場と言っても良いでしょう。
メッシュは、上記の値動きを勘案して、おおむね1.015〜1.130の間に注文を仕掛けています。
注文は何本仕掛けるの?1本あたりの取引量は?
注文を何本仕掛けるのか、1本あたりの取引量をどうするのかは、資金量次第です。
注文を仕掛ける本数が多ければ多いほど期待利益は高まりますが、リスクも高くなります。
同様に、1本あたりの取引量が多ければ多いほど期待利益は高まりますが、リスクも大きくなります。
想定した範囲を外れてどんどん相場が上がり続ける、または下がり続けるような事態になれば、それだけ損失が増えていくのがリピート注文です。そのような事態に立ち至っても、ロスカットをしのげるだけの余裕をもった設定を考えておいたほうが良いでしょう。
メッシュの資金量は、とりあえずのお試し用ということで15万円です。
欲張りなので、往復ビンタで儲かるよう、買いからも売りからもエントリーします。こまめに約定してくれたほうが取引の実感がわきやすいので、できる限り注文本数は増やし、そのかわり注文1本あたりの取引量は少なめにします。
詳しい説明は省きますが、実際の注文設定はおおむね以下のとおりです。
- 買い注文は1.015〜1.095のゾーンに8pips刻みで約100本
- 売り注文は1.050〜1.130のゾーンに8pips刻みで約100本
- 注文1本あたりの取引量は、1000通貨(最低取引単位)
資金量を勘案しながら、できる限り約定数を稼げるよう注文を密に仕掛けました。その分、注文1本当たりの取引量は最低の1000通貨単位としました。
1.015〜1.130の範囲で注文を仕掛けますが、このゾーンの中の下部7割の範囲に買い注文を仕掛けます。またこのゾーンの中の上部7割の範囲に売り注文を仕掛けます。
したがって、このゾーンの中央付近の4割の範囲は買いと売りの両方の注文が仕掛けられます。ここを相場が行ったり来たりしてくれると、往復ビンタで儲かる仕組みです。
利食い幅はどうするの?
エントリー注文と同時に決済注文も入れていきますが、その場合の利食い幅をどうするのか?ここについては正直、定見がありませんでした。
いろいろネット上でも調べてみましたが、これといった情報は見当たりません。
利食い幅が広ければ、1回当たりの利益は大きいですが、その分利確しにくくなります。逆に利食い幅が狭いと、利確しやすいものの1回あたりの利益は小さくなります。
結構重要そうなポイントですが、どの程度の利食い幅が最適なのか、皆目見当がつきません。しょうがないので、マネパ連続予約注文の利食い幅のデフォルト値である50pipsとしました。
これが、あまり良い判断ではなかったと分かり始めるのは1年ほど後のことです。
比較用に、もう一本設定
正直、利食い幅についてだけは本当に定見がなかったので、比較用として、利食い幅を変更した別のリピート設定を走らせることにしました。
こちらのリピート設定も基本的な注文の仕掛け方は最初のリピート設定とほぼ同じにしてあります。買い注文からも売り注文からもエントリーしますし、買い注文を仕掛ける範囲、売り注文を仕掛ける範囲なども最初のリピート設定と同じです。
資金量を30万円と多めに用意できましたので、若干注文密度や注文1本あたりの取引量は増やしてありますが、基本的に同じ構造です。
大きく違うのは、ただ1点、利食い幅だけです。こちらは利食い幅を80pipsとしました。利食い幅を大きくしたほうが、若干利確しにくくなるとしても、着実に利益を重ねられそうな気がしたからです。
この比較用のリピート設定は、本当に試して良かったです。と後からしみじみ思うことになりました
設定まとめ
リピート注文の設定をまとめると次のようになります。
プラットフォーム | マネーパートナーズの「連続予約注文」 |
通貨ペア | AUD/NZD |
買い注文仕掛け範囲 | 1.015〜1.095 |
売り注文仕掛け範囲 | 1.050〜1.130 |
注文密度及び注文本数 | 8pips刻みで買い・売り各100本 |
注文1本当りの取引量 | 1000通貨単位 |
利食い幅 | 50pips |
投入資金 | 15万円 |
また、比較用のもう1つのリピート設定は以下のとおりです。
プラットフォーム | マネーパートナーズの「連続予約注文」 |
通貨ペア | AUD/NZD |
買い注文仕掛け範囲 | 1.015〜1.095 |
売り注文仕掛け範囲 | 1.050〜1.130 |
注文密度及び注文本数 | 5pips刻みで買い・売り各160本 |
注文1本当りの取引量 | 2000通貨単位 |
利食い幅 | 80pips |
投入資金 | 30万円 |
さて、運用結果はどうだったでしょうか。その結果は、別の記事でご紹介しています。ぜひごご覧ください。
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