カブコムが強烈な一手を繰り出してきました。いつのまにか社名まで変わっているようです。auカブコム証券。ドコモユーザーのメッシュとしては馴染みの薄い名前になってしまいましたが、大事なのは名前より中身です。
爆誕と銘打ち、ベストプライス宣言なるものを行ったようです。顧客本位の素晴らしい宣言であることを強く期待します。看板倒れに終わらないよう、宣言に魂を入れることが必要ですね。
起死回生の一手か!?
さて、肝心の宣言の中身を見ていきましょう。なんとベストプライス宣言の第3弾まですでに発射されているではありませんか。その内容は次のとおりです。
- シストレFX主要6通貨ペアのスプレッドを業界最低水準に引き下げ
- 信用取引の取引手数料を無料化
- プチ株積立の買付手数料を無料化
優待族として最も注目すべきは第2弾の信用取引手数料の無料化ですね。これでようやくSMBC日興証券(日興イージートレードダイレクトコース)に並びます。
今年(2019年)3月にSMBC日興証券が一般信用売りに参入して以来、カブドットコム証券はすっかりSMBC日興証券の劣化版と成り下がっていました。取引手数料は高い。貸株料もちょっと高い。一般信用売りの在庫数の豊富さもSMBC日興証券の登場により目立った存在ではなくなっていました。
もう劣化版とは言わせない!
それから約9ヶ月。カブコムの逆襲の狼煙(のろし)が上がったのでしょうか。強烈な一手が繰り出されました。でも、これでようやくSMBC日興証券と五分五分です。
貸株料はSMBC日興証券の1.4%に対しカブコムは1.5%(一般信用長期)。今後ここに踏み込むのかどうかで、ベストプライス宣言の真価が問われるでしょう。
さらに、優待族に懸念を覚えさせる一文をカブコムは発表にこそっと紛れ込ませています。それは、次の一文です。
「2019年12月16日(月)よりお客さまの品受・品渡手続きに際し、一定の条件下で別途事務手続き料を頂戴させていただきます。(予定)」
これをやってはベストプライス宣言に悖(もと)ると思いますが、いったい何を考えているのでしょうか?変なことを考えるのはやめてもらいたいです。
実害は少ないか!?
もっとも、品受・品渡が有料化されても実害はあまりないかもしれません。
優待クロスの売りをカブコムで建て、買い(現物保有)は楽天証券で行って、それぞれを、そのまま権利落ち日まで保有しておけばよいのです。
権利落ち日にそれぞれ別々に手仕舞ったとしても、カブコムの決済(買埋)手数料は今回の措置で無料化されますし、楽天証券で保有している現物も、信用売建てから現渡しを使えば、最低限の手数料で手仕舞えるはずです。
若干のコスト高になり、手間もかかりますが、それほどの影響はないかもしれません。売り禁になるリスクはあるので、場合によっては現物の売却でかなりコスト高になるケースがあるかもしれません。
いずれにしても、これまで現渡(品渡)で手仕舞うのが常識だった優待クロスのやり方に一石を投じるものとなりそうです。
ベストプライス宣言の原則に立ち返れ!
今回のカブコムによるベストプライス宣言は、方向としては、投資家本位の望ましい姿に向かっていると言えそうです。あとは、その精神に逆行することはせず、一つ一つ、宣言に魂を吹き込んで、顧客本位のサービスをますます磨いてもらいたいです。
貸株料は、最低でも、楽天やマネックス並みの1.1%か、それを下回る水準でお願いします。品渡の有料化は再考願います。
頑張れ、カブコム!!優待族の期待の星になれ!!!
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