優待クロス、松井証券もなかなか使えるよ^^

猫

優待クロスをする人は、取引コストをどう低く抑えるかに腐心することになります。

低コストで取引できる定番の証券会社は、SMBC日興証券、auカブコム証券(プレミアム料がつかない銘柄の場合)、楽天証券(無期限一般信用売りができる銘柄の場合)あたりですが、これらの証券会社は、使い勝手が良い分、競争も激しく、売り玉の確保に苦労することも珍しくありません。

そんな中、あらためて注目しているのが、松井証券です。

松井証券は、貸株料が2.0%と比較的安いので(銘柄に寄っては3.9%)、うまく使えば、取引コストの削減に貢献してくれます。

実は、先の9月優待でも松井証券をかなり使いましたので、その使い勝手を備忘的にまとめておきたいと思います。

手数料体系はボックスレートで、制約あり

まずは、松井証券の手数料体系をおさらいしておきましょう。

松井証券の手数料はボックスレートと呼ばれるもので、1日の約定代金の合計額で手数料が決まる方式です。他の証券会社では「一日定額コース」などとよばれる手数料体系と同様の方式です。

1日の約定代金が50万円以下だと、手数料が無料となります。ここでいう約定代金は、現物取引と信用取引を合わせた額となります。

優待クロスで現物買いと信用売りをセットで取引する場合は、それぞれを25万円以下の金額に抑えないと、合計の約定金額が50万円とならないので、手数料を無料にできません。

すなわち、手数料無料を前提とするのであれば、25万円以下の銘柄しか、松井証券ではクロスできないことになります。

25万円までの銘柄しか取引できないという、この上限額は、他の証券会社と比べてもかなり低い金額で、この制約が、松井証券を使う上での最大の障害となっています。SBI証券や楽天証券、GMOクリック証券などは、100万円までの銘柄であれば、1日定額コースで手数料を無料にできます。全然違いますね。

ちなみに松井証券では、1日の約定代金が50万円を超えると、手数料は1,100円(約定100万円まで)、2,200円(約定200万円まで)と、どんどん跳ね上がっていきます。こんな手数料は、普通の優待族の皆さんはとても払えませんね・・・

結論としては、取得金額が25万円超の銘柄は、実質的に、松井証券でのクロスが封じられることになるわけです。

実は、抜け道あり。

上で見てきたように、松井証券では、取得金額25万円超の銘柄は、手数料を考えるとクロスが困難でした。でも、実は、これには抜け道があります。

「一日信用取引」を使う方法です。

松井証券では、1日の約定代金の計算に当たって、現物取引と信用取引の両方の約定額が算入されますが、「一日信用取引」であれば、その約定額はこの算入対象から除かれます。そういうルールです。

なお、「一日信用取引」自体は、約定金額に関わらず、手数料はすべて無料です。

「一日信用取引」は、その名のとおり、その日のうちに建玉を手仕舞わないといけません。したがって、売建には使えませんが、買建に使うことは可能です。その日のうちに、現引きをすれば、それで建玉を手仕舞ったことになるからです。

売建の分は、通常通り一般信用で売り建てて、現物取得の分は、「一日信用取引」で買い建ててから現引きすれば、手数料算定上の1日約定金額は、売建の分だけとなります。

1日の約定代金を50万円以下に抑えれば、手数料を無料にできますので、この方法を使えば、50万円まで売り建てられることになります。すなわち、取得額50万円の銘柄まで、優待クロスが可能となるわけです。

25万円までの銘柄までしか取得できないのと、50万円までの銘柄まで取得できるのとでは、狙える銘柄の幅がまったく違います。

SBI証券や楽天証券、GMOクリック証券と比べると、まだ見劣りするのは事実ですが、それでも、かなり使えるレベルになりました。

ちなみに、松井証券の「一日信用取引」は、手数料が無料なのに加えて、金利・貸株料もすべて無料です。その日のうちに現引きをすれば、コストが生じることはありません。

ただし、その日のうちに現引きし忘れると、翌日強制決済が行われ、この場合は、3,575円(税込)の手数料を取られます。

便利な松井の「優待クロス」は使えない・・・

さて、最後に注意点を1点だけ・・・

「一日信用取引」を組み合わせることにより、松井証券における優待クロスの上限額をかなり引き上げることができますが、この方法を使うと、便利な松井の「優待クロス」は使えません。

松井の「優待クロス」については、こちらの記事で詳しく説明してありますのでどうぞ。

【関連】松井証券の「優待クロス」取引は超便利!これを使わないなんて、もったいない(^^)

松井の「優待クロス」は現物買いと信用売りを組み合わせたセット取引ですので、「一日信用取引」を使う余地はありません。この方法をつかいたければ、、取得金額25万円までの銘柄しか、手数料を無料にできませんので、注意しましょう。

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