SMBC日興証券で優待クロスを行う場合のコスト節約術(現物取得編)

猫

優待クロスでは、SMBC日興証券を主力で使っている人が多いハズ。もちろんワタシもその一人です。

なんといっても、信用取引手数料が無料で(日興イージートレードの場合)、事務管理費はなし。貸株料も1.4%(年利)と最安クラスです。

SMBC日興証券を使っていれば、もうこれ以上コストカットを考える必要はないくらいですが、しかしヒトの欲望にはキリがありません。もっと安くできないか、とことん突き詰めるのが人間の性(さが)というものでしょうか。

売建てのコストは、もうこれ以上の削減の余地はほぼないでしょうから、残るは、「買い」のコストです。現物取得に要する経費をなんとか安くできないか。

というわけで、乾いた雑巾を絞ります・・・

現物取得のコストを減らすには

SMBC日興証券で優待クロスを行う場合に、現物取得のコストを減らすには、以下の対応が最善であるとワタシは考えています。

もう、いきなり結論ですよ〜

  • 取得費が100万円以下の場合
    権利付き最終日2営業日前又はそれ以前なら、SMBC日興のキンカブで現物買い→振替(①)
    権利付き最終日かその前日なら、SMBC日興で信用買い→現引き(②)
  • 取得費が100万円以上の場合
    権利付き最終日4営業日前又はそれ以前なら、楽天証券で信用買い→現引き→移管(③)
    権利付き最終日3営業日前又はそれ以降なら、SMBC日興で信用買い→現引き(④)

上記のやり方のうち、①と③は、完全にゼロコスト(無料)です。これ以上のコストカット術はありません。

②と④は、残念ながらゼロコスト(無料)ではありません。信用買いに伴う信用金利(制度信用2.5%)を1日分取られます。

これが結構馬鹿にならないのですが、手間や労力を考えると、致し方無いと割り切っています。

なお、この整理は、必ずしも万人には当てはまらないかもしれません。ワタシは面倒くさがりなので、基本的には、最後の手仕舞いを現渡しの一発で行いたいタイプです。

保有する資金量も限られますので、あまり多くの証券会社に資金分散させる余力は乏しいです。

SMBC日興証券がメインですが、加えて、株式移管手続きの手軽さ(手続きがネット上で完結)と大口優遇のハードルの低さから、楽天証券をこよなく愛しています。

また、取引手数料が完全無料のSTREAM(スマホアプリ)のようなものも使っていませんので、そのようなアプリでの取引は、そもそも考慮の対象外です。

あくまでワタシの置かれた状況や性格的な限界を前提に最善の方法を考えていますので、人によっては、これとは異なる立場、異なる考えの方もおられるでしょう。この記事は、どちらかといえば、ワタシの整理用・備忘用が主目的なので、そのような目でご覧いただければ幸いです。

現物取得費が100万円以下の場合

なぜ冒頭に申し上げたような結論になるのか、ここからは、その理由を述べていきたいと思います。

また、このやり方を用いる場合に必要な知識や注意点についても、併せて説明をしていきたいと思います。

まずは、現物取得費が100万円以下の場合です。

この条件だと、SMBC日興証券のキンカブ(金額・株数指定取引)を使うのが、最もオトクです。なんたって、取引手数料がタダですから

しかも、SMBC日興証券でそのまま現渡しできますので、楽チンこの上ないです。

なお、キンカブは約定金額が100万円を超えると1.0%もの実質的な手数料(日興ではこれをスプレッドと称しています)を取られます。100万円の取引でコストが実質1万円ですね。バカ高いので、絶対に100万円を超える取引では使わないようにしましょう。

キンカブの取引コストに関するSMBC日興証券の公式ウェッブサイトを参考までに載せておきます。

キンカブスプレッド
(SMBC日興証券公式ウェッブサイトから引用)

余談ですが、キンカブ(約定100万円以下)は、買付の方はスプレッドが0.0%ですが、売却の方は0.5%のスプレッドで、これも十分にバカ高いコストです。優待クロスの場合はそのまま売却することは通常ないかもしれませんが、万が一売却をする場合はお気をつけください。

なお、「キンカブ口座」から「保護預り口座」に株式を移せば、通常の手数料体系で取引できるようになります。口座間の振替えについては、後ほど詳述します。

キンカブの注意点

100万円以下の取引であれば、キンカブを使えばコストゼロで現物を取得できますが、重要な注意点がいくつかあります。

サービスの特性上、様々な制約がありますので、それらをしっかりとわきまえた上でキンカブを活用した方が良いでしょう。

寄付でしか約定しない。また、発注時間が限られる。

キンカブは、ルール上、前場又は後場の「寄付」でしか約定しません。したがって、「引け」でクロス取引を行うことができません。

また、発注時間にも制約があります。

例えば、前場の寄付きで約定させる場合、その注文は当日の午前8時までに出さなければなりません。市場が開く時間よりもちょっと早いです。8時以降にたまたま売り玉が確保できたとしても、締め切り時間を過ぎていますので、もはやキンカブでの現物発注はできません。

後場の寄付きで約定させる場合は、注文の締め切り時間はその日の午前11時30分です。その後、売り玉が確保できても、やはりキンカブの発注は間に合いません。

キンカブ発注時間
(SMBC日興証券公式ウェッブサイトから引用)

おおかたの皆さんは、前日の夜に売り買い両方の注文を仕込んでしまうことが多いでしょうから、キンカブの取引上の制約はあまり問題にならないかもしれませんが、朝仕込む人や、場中に落ち穂を拾う人などは、キンカブは少し使いづらいかもしれません。

キンカブを使うことができない場合は、おとなしく諦めて、「信用買い→現引き」を使うか、または楽天証券など他の取引コストの安い証券会社の活用を考えましょう。

「キンカブ口座」のままでは信用余力にカウントされない。

キンカブで現物を購入すると、当該株式は「キンカブ口座」で管理されます。

これは、通常の取引による株式が管理される「保護預り口座」とは別の口座であり、「キンカブ口座」のままでは、信用代用証券として使うことができません。

株式の受渡し日以後は、いつでも、ネット上で「キンカブ口座」から「保護預り口座」に株式の振り替えを申し込めますので(単元以上の場合)、信用余力を確保したい場合は、できる限り早めに申し込んだほうが良いでしょう

振替えは、もちろん無料です。

なお、実際に振替えが行われるのは、申込を行った翌営業日となります。すなわち、最短でも、「保護預り口座」に入るのは、受渡し日の翌営業日ということになります。

通常の取引よりも若干遅れますので、信用余力がギリギリの場合は綱渡りの対応になりそうです。

「キンカブ口座」のままでは、株主優待を得られない。直前の約定では、口座移管が間に合わない

さらに重要な点を説明しておきたいと思います。

「キンカブ口座」に入ったままだと、当該株式の優待権利や議決権を取得することはできません。(注:応分の配当金だけはもらえます)

議決権はともかく、株主優待を取得できないのであれば、もはや優待クロスじゃありませんね。そんな事態に陥らないためにも、早めに「保護預り口座」に振り替えたほうが良いですね。

これが特に問題になるのは、権利日間近にキンカブで現物を取得する場合です。

実は、権利日間近だと、「キンカブ口座」から「保護預り口座」に株式の振替えができなくなります。公式ウェッブサイトの以下の記述をご覧ください。

キンカブ振替停止期間
(SMBC日興証券公式ウェッブサイトから引用)

上記ウェッブサイトの説明のとおり、権利付き最終日の17時以降は振替手続きができませんので、振り替えるためには、権利付き最終日の2営業日前までに約定させ、権利付き最終日に受け渡された株式を、その日の17時より前に振り替えておく必要があるのです。

平たくいえば、通常の優待取りであれば、権利付き最終日に約定すれば間に合うわけですが、キンカブで取引する場合は、それでは間に合わないということです。大事な点なので繰り返します。権利付き最終日の2営業日前までに約定させなければなりません。極めて重要なポイントですので、よく覚えておきましょう。

手動で振り替える上記方法の他に、SMBC日興証券では「自動スイング」というサービスが用意されており、これを使うと、権利日直前に自動で「キンカブ口座」から「保護預り口座」に株式を振り替えてくれます。でも、このサービスも、権利付き最終日に受渡しが終わった株式だけが振替えの対象で、その後に受け渡される株式は、振替えが行われないまま「キンカブ口座」に残ることになります。「キンカブ口座」に残ったままだと、株主優待を取得することはできません。こんな株式、優待クロスの世界では、もはや紙クズですね。

自動スイング
(SMBC日興証券公式ウェッブサイトから引用)

現物を取得したのに優待権利が得られなかったという間抜けな結果とならないよう、キンカブでの現物取得は、必ず、権利付き最終日の2営業日前までに済ませましょう

権利付き最終日とその前日は、絶対にキンカブで現物を取得してはいけません。ワタシは、おとなしく、SMBC日興証券の通常取引で、「信用買い→現引き」で現物を取得します。

でも考えてみれば、権利付き最終日直前のこの段階までクロスを引っ張れば、もう十分低コストですよ。人生、潔さも大切ですね。

現物取得費が100万円以上の場合

これまで、現物取得費が100万円以下の場合を見てきましたが、ここからは、現物取得費が100万円以上の場合を見ていきたいと思います。

先にも述べたとおり、この場合は、日興「キンカブ」の利用は厳禁です。優待価値に見合わない多額のスプレッド(手数料)に涙することになるでしょう。

ここで活躍するのは、楽天証券の一般信用取引「いちにち信用」です。

「いちにち信用」は取引手数料が無料です。大口優遇でなくても無料です。また「いちにち信用」は、100万円以上の取引の場合、信用金利(買方金利)が0%です。平たく言えば、これもタダです。

さらに言えば、楽天証券は現引きの手数料も無料です。

要は、約定金額が100万円以上である限り、楽天証券で「いちにち信用」→現引きを使って現物株式を取得すれば、取引コストがゼロです

これに勝るものはありませんね。参考までに、楽天証券の公式ウエッブサイトを載せておきます。

楽天証券いちにち信用
(楽天証券公式ウェッブサイトから引用)
楽天証券いちにち信用
(楽天証券公式ウェッブサイトから引用)

100万円以上の現物取得は、もう楽天証券の「いちにち信用」に決まりです。

ちなみに、100万円未満の取引だと、「いちにち信用」の信用金利は1.8%になりますが、これもSMBC日興証券の2.5%より安いです。余談ですが。

「いちにち信用」の注意点

無双のパワーを誇る楽天証券の「いちにち信用」ですが、弱点もあります。でも、大丈夫。己を知り敵を知れば百戦危うからず。気をつければ、落とし穴に落ちることはありません。多分・・・

忘れず現引きしよう

「いちにち信用」は、その名のとおり、当日中に玉を手仕舞わなければなりません。これを怠ると、翌営業日に強制決済となり、当該決済についてはオペレーター取引手数料が適用されるのですが、これがバカ高いです。

楽天証券オペレーター手数料
(楽天証券公式ウェッブサイトから引用)

ワタシも実は、日中に忙殺されて気がつくと現引きし忘れ、とんでもない手数料を取られたことがあります。しかも1度や2度ではないです・・・。もう何万円も払ってますよ・・・

偉そうなことを言える立場ではないのですが、絶対に現引きだけは忘れないようにしましょう。。。

信用貸株のままでは、移管できない

楽天証券には「信用貸株」という独特な仕組みがあり、仕組み自体は投資家にとって悪いものではないのですが、これが他の証券会社に株式を移管する場合にちょっと障害になります。

信用貸株で貸し出している間は、当該株式を他の証券会社に移管することができないのです。

厳密に言うと、信用貸株で貸し出している間は、当該株式を信用代用から保護預りに振替えられず、保護預りに振替えなければ、移管手続きができない仕組みとなっています。当然、SMBC日興証券にも移管できませんし、移管ができなければ、最後にSMBC日興証券で現渡しもできません。

しかも、楽天証券で「信用貸株」を利用している場合、現物取得したもの(現引きによる現物取得も含まれます)は、信用貸株として自動的に貸し出されちゃう設定です。

そのまま「信用貸株」にしておくと移管できないのですが、信用貸株は現物取得後、即座に手動で解除できます。手動での解除は、現引き後すぐにネット上で可能です。SMBC日興証券に移管する株式は、忘れずに、信用貸株をすぐに解除しておくようにしましょう

【関連】楽天証券の信用貸株ってどうなの?あなたは「使う派」?

移管に要する時間を計算に入れて取引しよう

楽天証券の「いちにち信用」を使う場合、その後の楽天証券からSMBC日興証券への株式移管が必要となる関係上、その分の日数を考慮して取引を行うことが必要です。

結論から言います。

権利落ち日にSMBC日興証券で現渡しするという前提に立てば、楽天証券で「いちにち信用」取引を使えるのは、権利付き最終日の4営業日前までです

4営業日前に約定する場合の、取引から現渡しまでの一連の流れはこうです。

権利付き最終日の4営業日前に「いちにち信用」が約定したら、約定後、できる限り速やかに現引きを行いましょう。現引き後、すぐに信用貸株の解除が可能ですので、これを解除します。

こうしておけば、権利付き最終日の2営業日前になって、株式が受け渡されるのと同時に、当該株式を信用代用から外して保護預りとする(代用振替)ことができます。(実際は、この手続は前日夜(権利付き最終日の3営業日前の夜)から可能です。)

保護預りに振り返れば、すぐに移管手続き(楽天証券→SMBC日興証券)を行えるようになりますので、これも早速済ませます。そうすると、権利落ち日の朝にはSMBC日興証券への移管が完了していますので、同証券で現渡しが可能になります。

これらの一連の手続きは、すべてネット上で完結します

「いちにち信用」の約定が権利付き最終日の3営業日前か、それ以降だと、SMBC日興証券での権利落ち日の現渡しに間に合わないです。間に合わなければ、その分、貸株料を多く払うことになります。

厳密に計算すれば、日取りによっては、現渡しが少し遅れても、楽天証券の「いちにち信用」を使ったほうがコストが安くなるケースもあると思いますが、ワタシは、いちいち検討するのが面倒くさいので、権利付き最終日の3営業日前になったら、もう「いちにち信用」の利用は諦めて、素直にSMBC日興証券で「信用買い→現引き」で現物取得するようにしています。

まとめ

さて、SMBC日興証券で優待クロスを行う場合の、現物取得に関する最善の方法を考察してきましたが、いかがだったでしょうか?

100万円までの取引であればSMBC日興証券の「キンカブ」、100万円以上の取引だと楽天証券の「いちにち信用」と、きれいな整理ができて、なんだか心地よいです

両証券で示し合わせたわけでもないんでしょうが、切りの良い100万円を境にきれいに棲み分けている様は、予定調和的で美しさすら感じさせます。

ちなみに、約定金額が100万円きっかりの場合だと、日興「キンカブ」と楽天「いちにち信用」のどちらでも、ゼロコスト(無料)で現物を取得できます。

そんな芸当、狙ってできるもんじゃございませんが・・・

100万円超えるか超えないか微妙な取引の場合が一番悩ましいですね。

でも万が一100万円を超えた場合の日興「キンカブ」の取引コストは、ちょっと洒落にならないレベルですので、こういう場合は、素直に楽天「いちにち信用」を使ったほうが良いでしょう。

「いちにち信用」で99.9万円で約定した場合、50円ぐらいの信用金利を取られますが、一方の「キンカブ」で100.1万円で約定すると10,000円超のスプレッドです。違いは歴然ですね。

それにしても、ここ数年の優待クロスに関するサービスの充実とコストの低下は目を見張るものがありますね。

良い意味で、顧客本位の競争が行われている結果だと思います。これからも、どんどん投資家目線でサービスを競ってもらいたいものです。

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