3月末の権利付き最終日が過ぎ、この週末は優待クロスの手仕舞いに皆さん余念がないことでしょう。
私もほぼ手仕舞い終了です。たけびし(7510)など取引制限が出されている一部の銘柄については、まだ注文が終了していませんが、それ以外の銘柄は、注文を出し終わりました。
170銘柄もクロスしちゃうと、手仕舞いだけでも、ひたすら注文を出し続けて3時間以上かかります。売りはカブコム、買いは楽天の変則クロスのせいで、手仕舞い作業が本当に面倒くさくなりました。
株主への注意報が発令?!
さて、手仕舞いが終わっても、今年はなんだかスッキリしません。それは、巷で話題になっている日本取引所グループ(JPX)のこの発表のせいですね。
簡単に言うと、仮に新型コロナウイルスの影響で企業が配当その他の権利の基準日を3月末日から変更する場合、3月末日に株式を保有していただけでは権利は取れないので、投資家は気をつけろ、ということです。
こんな注意喚起をされたところで、どうしようもありませんね。
ある意味、JPXは、当然のことを言っているだけです。
権利日がズレたら、その権利日に株式を保有してないと権利が取れないよ、と言っているだけです。
ちなみに、このことは3月末権利日の銘柄に限ったことではありません。2月末権利日の銘柄だって同じことです。仮に、2月末権利日の企業が、権利日を2月末から別の日にズラしたら、そのズラした日に株式を保有していないことには優待も含め権利は取れません。
でも、2月末銘柄は、もうとっくにクロスを解消して手元にはありません。仮に基準日変更があれば、再度クロスし直すしかないです。
こう考えてくると、2月銘柄なぞ、今更ジタバタしたってしょうがないですし、3月銘柄も、今の時点であたふたしたってしょうがないです。
権利日変更って何だ?
ところで、なぜ、企業は基準日を変更する必要があるのでしょうか。それは、この法務省からのお知らせを読めば分かります。
端的に言いますと、会社法上,基準日株主が行使することができる権利は,当該基準日から3か月以内に行使するものに限られます(会社法第124条第2項)。
このため、仮に6月末までに企業が株主総会を開けない場合は、3月末日基準日の株主は、権利を行使できなくなりますので、企業は別の基準日を定めなければならなくなるのです。
ただし基準日を定め直すのも、実際、それほど容易なことではないと思われます。基準日を定めて配当を行うためには、その基準日に再度決算を行って、配当などの分配可能額を算出し直さなければなりません。
再度決算を行うとしても、監査法人の監査を含め、全て決算日程を調整し直さなければなりませんが、これはなかなか大変なことです。
上場企業であれば、金融商品取引法に基づいて四半期決算を行っているはずなので、現実的な選択肢としては、四半期決算の節目となる、6月末を新たな基準日と設定することが考えられます。
仮に基準日が3月末から6月末に変更されるとすれば、6月末に新たにクロスし直せば良いですね。
でも、本当にそんなことになれば、面倒臭さマックスです。お願いだからやらないで欲しい・・・
一部の企業は無関係?
なお、一部の企業は、株主総会を開かなくても、取締役会で配当等の決定をすることができます。たまに、株主総会招集通知といっしょに配当金の計算書が送られてくることがありますが、その企業は、株主総会を開く前に、既に取締役会で配当を決定しているのです。
これができるのは、取締役の任期が1年であることや、定款にその旨の定めがあることなど、一定の要件を満たす企業だけです(会社法第459条第1項)。
このような企業であれば、株主の権利行使がどのような事情になろうとも、それに関わらず、配当等を取締役会で決定できますので、3月末権利日の株主に対して、配当金の分配や、株主優待の付与ができそうな感じがしますが・・・
果たしてどうなるでしょうか?
心配してもしょうがない?
心配しすぎてもしょうがないと分かっていても、少し心配ですね。
どうしても心配な方は、そのままクロスし続けるという選択肢もあるんでしょうか。。。普通の人はやらないでしょうね。
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