立会外分売のメリットとデメリットは?

淀屋橋

立会外分売はIPOのように大きく稼げることは少ないですが、下手を打たなければリスクも限定的で投資妙味もあります。あらためて、投資家から見たIPOのメリットとデメリットを整理してみましょう。

なお、そもそも立会外分売とは何かをゼロから知りたい方は、証券会社各社のウェッブサイトに説明がありますので、そちらをご覧ください。ひとことでいえば、取引時間外(=立会外)にまとまった量の株式をあらかじめ決められた価格(前日終値から2〜4%程度の割引が多い)で売り出すことです。

立会外分売のメリット

まず立会外分売のメリットから見ていきましょう。

ディスカウント(割引)がある

立会外分売の最大のメリットはディスカウント(割引)があることです。直前の市場価格より割安で株を購入できます。

ディスカウント(割引)を利益につなげやすい

割安に購入できても、市場価格がそれ以上に下がってしまうと利益を上げることはできません。立会外分売は、前日の終値からディスカウントで購入したた株式を、翌日の寄付から即売却することが可能です。間を置かずに取引できるので、ディスカウントを利益につなげやすいです。

リスクが限定的

立会外分売は、ディスカウント(割引)で取得した株を間髪入れずに短期勝負で取引し、素早く手仕舞う投資手法です。このためリスクは限定的です。

なお、損切りを嫌ってずるずる持ち続けることももちろん可能ですし、そういう初心者の方も中にはおられると思いますが、そういう人はこのメリットとは無縁です。

投資機会(チャンス)が多い

立会外分売はIPOやPOと比べても本数が多く、1年を通じてコンスタントに案件があります。2018年は129本、2017年は133本の分売がありました。単純に計算しても1ヶ月あたり10本強の本数がありますね。その分、チャンスが多いといえます。

資金効率が良い

立会外分売は短期決戦で素早く手仕舞う投資手法なので、同じ資金を何回転もさせることが可能です。分売本数の多さと相まって、資金効率がとても良いです。

立会外分売のデメリット

次に立会外分売のデメリットを見ていきましょう。

人を選ぶ(万人向きではありません)

立会外分売の当落がわかるのは、午前8時50分前後です。市場が開く午前9時まで10分ぐらいしか時間がありません。当落状況がわからなければ注文すら出せません。短期勝負なので、できるだけ早く状況を確認して売注文を出しておきたいところです。

一般の勤め人の方で、朝から悠長に当落確認や売買注文を出せる人は少ないでしょう。昼休みにチェックしたときは、すでに時遅しということもあり得ます。これでは、勝負は厳しいです。短期決戦だけに人を選ぶ投資手法です。万人向きではありません。

立会外分売の最大の難点は、おそらくこの点だと思われます。

大きく稼げない

立会外分売はディスカウント(割引)があるのでお得ですが、ディスカウント率はたかだか2〜4%です。このぐらいの幅であれば、どんな銘柄でも通常の一日の値動きの中で頻繁に発生します。大きく稼げるものではありません。

もちろんIPOのように株価が売出価格の2倍や3倍になることなど絶対にありません。

タイミングを逃すとダメージを受けやすい

立会外分売に出てくるのは、比較的上場規模が小さく株主数も少数で、なにかあると値が大きく動くタイプの銘柄が多いです。日経平均に採用されているような銘柄を見かけることはほぼありません。したがってわずかなディスカウント率などを大きく超えて株価が変動することも少なくありません。

タイミングを逃すとダメージを受けやすいです。

人気銘柄は当たりにくい

立会外分売でも人気銘柄があります。売り込まれて手頃な価格になっている銘柄や売出数が少なく売り圧力の弱そうな銘柄、取引量が多くボラティリティの比較的小さい銘柄などです。こういった銘柄は申し込んでもなかなか当選しません。

それでもIPOと比べると、格段に当選確率は高いです。

たまに地雷が埋まっている

立会外分売はディスカウントがあるのでその分利益を出せる確率が高いのですが、やはりすべて儲かるというわけにはいきません。ディスカウント率を超えて値を下げる銘柄もちょくちょくあります。

中には、ディスカウントされた価格を寄付で下回ったまま一度も浮上しない残念な銘柄もあります。決して珍しいことではありません。こんな水没銘柄はできれば避けたいですね。

メリットとデメリットをよくわきまえて行動しよう

立会外分売に関しては、メリットとデメリットをよくわきまえて行動することが大切です。コツコツと利益を積み上げ、たまには損失も出るでしょうが、トータルでプラスになれば成功だと思います。

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