
緊急事態宣言出た。
昨日(4月7日)、政府の緊急事態宣言が出ました。遅過ぎるという声も巷(ちまた)にあるようですが、必要なことをやるのであれば、いかなる時でも堂々とやれば良いのであって、遅すぎるということは決してないです。
医療崩壊が本当に懸念される状況であれば、一歩踏み込んだ措置を採るのは当たり前です。
後から振り返ってみて、遅過ぎたとかいうのはたやすいですが、それは結果論に過ぎません。その場その場で、何が正しいのかわからない中で判断していかなければならないわけで、政府には、つまらない雑音に惑わされることなく、国民の生命を守るために必要な行動に邁進してもらいたいと思います。
「補償」は必要なのか?
休業要請に対して補償を求める声が高まっているようです。昨日の国会(議院運営委員会)の質疑を見ていたら、立憲民主党や共産党あたりが、補償はしないのかと、騒いでました一生懸命政府を問い質してました。
一方で、飲み屋や水商売で儲けているあぶく銭を全部税金で補填するのかという、極端な反論もあるようです。
何が正しいのかは、皆さんそれぞれのお考えがあるのでしょうが、そもそも今回のコロナウイルスに起因する損失は、政府が補償すべき筋合いのものなのでしょうか?無邪気に疑問を感じます。
どう考えても悪いのは人間の生命に危険を及ぼしている新型コロナウイルスであって、政府は、みんなを守ろうと必死に戦っている正義の味方のようなものです。コロナウイルスを火事に例えれば、政府は火消しですね。
火事から町を守るために、火消しが長屋を破壊して延焼を防ごうとしたとき、その火消しに「補償してくれ」って本気で言うんでしょうか?
「気にせず、スパッとやってくんな」って江戸っ子だったら言うんじゃないのかな?もしかすると、江戸時代よりも現代のほうが精神的な民度は低いのかもしれません。
コロナウイルスを恨むのなら分かりますし、百歩譲って、コロナウイルスの拡散に手を貸した無責任な感染者を恨むのなら分かりますが、頑張っている政府を恨むのは筋違いですし、ましてや政府に補償をしろと言うのも筋が通らないと思います。
本当の意味で補償を求めるのであれば、その損失の原因を作り出したコロナウイルスか、無責任な感染者にでも求めるべきでしょう。
もう少しいうと、場合によっては、政府が補償しなければならない場面も中にはあると思います。例えば、患者を収容するための土地や建物を強制的に使用するケース。
政府は、どの土地や建物を強制使用するかについていろいろ考慮するのでしょうが、たまたまそこを選んだがゆえに、不利益を被る人が出てくるわけです。
いくらコロナウイルス対策とはいえ、たまたま選ばれたがゆえに不利益を被る人に補償をしてあげなかったら、それ以外の不利益を被らない人との間でバランスを欠くことになるでしょう。まさにアンフェアです。
このように、補償をしてあげなければフェアではないケースも中にはあると思いますが、同じ条件にある人に必要な受忍を等しく求めざるを得ないようなケースでは、基本的にフェア・アンフェアの問題は生じないと思いますし、国民として、必要な限度内であれば、受忍すべきであると思います。
政治家も、はっきりと「そもそも補償というのは筋違いだ」と説明すれば良いと思います。が、きっと無理解な世間の反応や愚かなマスコミの反応を考えると、立場上は難しいのかもしれませんね。
しかしながら、国民の耳に痛いことでも、必要があればきちんと説明するのが政治家の大事な役割でしょうね。総理はじめ政府も、この「補償」の問題についてはきちんと説明していないような気がします。こういうことをちゃんと説明する政治家こそ、応援したいです。
なお、「補償」は筋違いとしても、今般の自粛要請や休業要請に直接または間接を問わず協力してくれた人たちが、収入減等で本当に苦境に陥っているのであれば、そのような人たちに何もしてあげなくて良いということにはなりません。
血の通った人間としては、当然ですよね。
そのような意味で、今回政府から出された緊急対策は、まさに適切かつ時宜を得たものと言えるでしょう。
一点だけ難点を言えば、今回の緊急対策に、観光や旅行、イベントキャンペーンが盛り込まれてますが、なんで今の時期に、こんなものを出すのかちょっと理解できません。まずは、病気の収束に目処をつけないことには、身動きが取れません。
関係する業界の求めに応じたものかもしれませんが、もっと適切なタイミングで効果的に打ち出したほうが良かったような気がします。
底打ちに期待
今回の緊急事態宣言が、経済底打ちのターニングポイントとなってくれれば良いな、と本当に期待しています。
今回の危機はひとえに新型コロナウイルスに起因するものなので、その脅威への対応が功を奏し、病気のまん延が収まれば、おのずと経済の危機からも回復することになるのでしょうか?
そう期待したいところですが。。。まあ、いずれにしても長期戦でしょうね。
緊急事態宣言は、1ヶ月という期間が区切られていますが、宣言が延長されようがされまいが、活動自粛や行動変容の必要性は、相当長期間に渡って続きそうです。
その意味では、医療崩壊の危機が回避され、患者数や死亡者数の発生がピークを超えたことが明らかになるに連れて、株価等は底打ちしていくと思いますが、実体経済への影響は残り続けるので、今後も経済の下押し要因はダラダラ続きそうな気がします。
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